〆

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落ち着いてほしい。ChatGPTが人間の仕事を奪うことはない。

 その理由をよく表しているのが、Information Ageに掲載された1本の記事だ。同誌は、ChatGPTに関する記事をChatGPTに書かせ、その結果を短い紹介文を添えて掲載した。書かれた記事は、このAIに関する基本的な事実を並べたもので、非常にシンプルだ。問題は、記事を「書く」にあたってChatGPTが偽の引用をひねり出し、引用元を(実在するらしい)OpenAIの研究者としたことである。

 これはChatGPTのような大規模言語モデルの重大な欠点を浮き彫りにしている。事実とフィクションを区別できないのだ。訓練してもできない。このAIは単語を並べ替え、分かりやすい文章を書くようにプログラムされているにすぎない。

どういう間違いを犯すか、何ができなくて何ができるかを把握できれば、使い道もあるだろう。

このAIが教授やプログラマー、ジャーナリストを廃業に追い込むとは考えにくい。むしろ短期的には、ChatGPTとその基盤となっている言語モデルはそうした仕事を補完してくれる可能性が高い。これはツールであって、人間に取って代わるものではない。ジャーナリストが長いインタビューを書き起こすためにAIを使っているように、ChatGPTのようなAIは、例えば記事のタイトルを考えるために使えるかもしれない。